八国山と焼団子と山田うどんと埼玉西武ライオンズ。 この4つは、自分にとって郷土の象徴です。子供時代の遊び場にしてトトロの舞台と呼ばれている八国山。焼団子と山田うどんは、所沢市民のソウルフード。地元に本境地をおく埼玉西武ライオンズ。 私は、所沢生まれの元情報システムエンジニア。郷土を愛するエンジニアのBlogです。
2016年2月1日月曜日
ISACA Membership Card
Platinum Level Membershipは、15年以上継続して年会費を納入した会員が認定されます。
自分は、1997年にCISA試験に合格したのですが、前年に入会していますので20年以上、ISACAのメンバーです。
ISACA東京支部は、現在は3000名以上の会員を擁していますが、自分が入会した時点では300名程度であったと記憶しています。
毎月一回開催される月例会も、理事会メンバーの所属企業の会議室を利用、20名程度の参加者でした。講師が手作りの資料を駆使して、一生懸命説明してくれました。プロジェクタなどなく、OHPシートを一枚一枚めくりながら、投影していた姿が懐かしいですね。
説明が終わると、希望者が集まって懇親会。様々な企業から集まったメンバーの話が、とても参考になりました。
メンバーも、情報システムの開発担当者、運用担当者、ソフトウェアの販売会社が大半で、メインフレームの関係者が殆どでしたね。
その内に、公認会計士など監査関係の人も入会するようになってきました。劇的に変化したのは、個人情報保護法の制定と内部統制の必要性が注目を浴びた時でしょう。
自分もISACA東京支部の理事会メンバーでしたが、瞬く間に4桁の数にメンバーが増加して驚きました。
CISA、CISM、CGEITの年会費と東京支部会費を合計して$330。これが、現在の生活を支えいている費用です。と言っても、勤務先に交渉して必要経費として処理してますが(笑)
2008年4月30日水曜日
コメント第一号 ありがとうございます
この事件は、世間的な関心も高いようで、ワイドショーなどでも多くの時間が割かれ、その横領の手口が報道されていますが、呆れ返るばかりですね。
前回の記事で「全く内部統制が無かったと断定していいです」と記載しましたが、誤りではなかったようです。連合会の役員諸氏の考えはともかく、報道されている範囲で考察すれば、内部統制が少しでもあったと判断することは出来ないでしょう。少なくとも有効な統制があったとは言えません。
(1) 引下ろしに必要な印鑑と通帳が同じ金庫に保管されていた
当然、別々に保管して然るべきです。通帳と印鑑があれば、預貯金の如何なる操作も可能です。不正な預貯金操作(今回の事件では横領)というリスクを想定するならば、印鑑と通帳は別々に保管、管理者も同一人にしないことは当然の管理策でしょう
(2) 犯人が通帳と印鑑を金庫から自由に出し入れしていた
通帳も印鑑も然るべき手続、つまり使用の申請を行い、管理者が照査し、その上で認証され、記録に残す、が必要です。そして、その記録を定期的にレビューしていれば、当該職員の使用記録が突出しており、詳しい調査が必要なことに気がついたのではないでしょうか。
(3) 監査は年に2回実施しているが、発見出来ず
大掛かりになる監査はだけでなく、出納に関する検査はもっと頻繁に行う必要あるでしょう。例えば、通帳に検査日までの最新の出し入れを記帳、検査すれば犯人による異常な出勤を早期に発見できた筈です。また、頻繁に実施される出納検査が、横領事犯の抑止効果になったと思います。
(4) 犯人を信じきっていた
善人だから、大丈夫だと考えていたようです。連合会幹部が報道機関のインタビューに答えていましたが、日頃真面目に勤務していたので、横領するとは思わなかったと話していました。性善説はやめましょう。資金が不正に操作される、横領されるというリスクに備えましょう。善人なら管理を緩くし、悪人なら厳しくするのでしょうか。そもそも、悪人と分かっていながら採用することはない筈です。
(5) チェックはしていたつもり
連合会役員は、報道機関からの質問にチェックはしていたつもりと回答していました。しかし、必要な検査照査が行われていないから、横領を許し、しかもこれだく巨額になるまで発覚しなかったのは明白です。
青森県住宅供給公社の巨額横領事件では犯人は懲役14年に処せられ服役中です。横領の法定刑の最高が懲役10年でしょうから、検察は他の罪状と合わせ併合罪で起訴し、裁判官もそれを認めたのでしょう。今回も国民の保険金を横領したので、検察は同じように他の罪状を合わせて可能な限り長期の量刑を求めてくるものと思われます。しかし、10億円という国民の貴重は保険金が弁済される訳ではありません。このような不正を起こさせない仕組みが必要なのでは言うまでもありません。
この手の事件で聞かれる弁解の常套句が、犯人が真面目であったとか勤務態度に問題は無かったとかです。そして、今後は性悪説にたち対策をとると言うわけです。内部統制は、性善説性悪説は全く関係ないと考えています。
当社は性善説にたち、社員を信用しているので、内部統制を必要としていませんとか、性悪説にたち社員に権限を委譲しませんとか・・・ 双方とも間違っていませんか。
社員に業務に必要な権限の委譲がなければ、業務は遂行できませんし、業務に潜むリスクに備えなければ、今回のような不正を防げません。
企業(事業体)は、信頼できると判断した場合に社員(職員)を採用し、職務の遂行に必要な権限を任せます。内部統制は、個々人を対象とする属人的なものではなく、業務プロセス中のリスクを対象とするものではないでしょうか。真面目で勤務態度の良いから、性善説にたち、職務上のリスクに対して、何の備えもしないというのは言い訳にもなりません。性悪説と称し、業務の遂行ができないのも愚の骨頂です。
私は、内部統制は想定されるリスクに対する備えだと考えています。想定されるリスクが小さければ、コスト面から考えて特に対策を採らないということも有りだと思いますし、また想定されるリスクの発生可能が低い、つまり脅威脆弱性が小さいので、管理策の程度を下げることも有り得ると思います(当然、経営陣によるリスクの許容が前提ですが)。リスクが有るから管理策が有るので、人の性格の良し悪しで左右される問題ではないでしょう。
私は、内部統制を性善説性悪説で判断していくいことには断行反対です。私も意見に賛同していただける同志を募りたいです。
2008年4月28日月曜日
「内部統制大賞」
社○保険庁や○県国民健康保険団体連合会は、端から審査対象外ですね、多分・・・
以下は、産経新聞Webからの引用です。
strong>【岩崎慶市のけいざい独言】内部統制は身の丈に合わせて
2008.4.28 08:21
今年は「内部統制元年」といわれる。昨秋には金融商品取引法が施行され、今年度からは財務計算の適正性に対する評価制度なども適用される。6年目を迎えた「誠実な企業賞」も「内部統制大賞」(Kfiや産経新聞など協賛)に衣替えしたが、「誠実」が要であることに変わりはない。
小欄が初回から選考にかかわってきて改めて思うのは、コンプライアンス(法令順守)の難しさだ。今回も優秀賞に決まった資生堂が、子会社の不祥事発生を理由に先月の授賞式直前に辞退した。
資生堂といえば、長年の積極的な社会貢献活動で定評がある。いくら経営陣が高い意識を持ち、内部統制体制をつくり上げても、何万という従業員を抱える大企業ではなかなか不祥事を防ぎきれない。
最近は企業のグローバル化が急進展し、異文化で育った外国人社員も多い。野村証券の中国人社員によるインサイダー取引事件は、グローバル化に対応する内部統制という新たな課題も突きつけている。一方で食肉偽装や船場吉兆、赤福など中堅企業以下の不祥事も目立つ。わずかでもトップが規律を備え、初歩的企業統治を行っていたならと思うが、たとえその気があっても中堅・中小企業には人材やノウハウに乏しいという悩みがあるようだ。
そこでもう1つの優秀賞企業である協立電機(本社・静岡市)を紹介したい。北米やアジアにも事業所を持つFAシステム会社だが、従業員はグループ全体で1000人に満たない典型的中堅企業である。
評価されたのは環境とコンプライアンスを重視し、それを人事評価へ反映させている点だ。といっても、大がかりな組織をつくったわけではなく、基本はリスクを最小限に食い止めることだという。
「これをバカ正直にやり続ける。それが決して企業収益に反しないことを朝礼でいつも話している」と西雅寛社長は語る。
大手商社勤務だった26年前に家業を継いだ2代目社長は、最初に社是を決めたともいう。小難しく考えることはない。身の丈に合った内部統制を行えばいい。
私は、記事の内容は概ね賛成なのです。何故、概ねかというと、「内部統制大賞」は選考が難しいのではないかと思うからです。何を以って、選考基準とするのでしょうか。有効性なら、有効性評価の基準はということになり、結局は審査員の主観かなとも思えます。可能性は限りなく零に近いのですが、私に審査員の依頼があったら辞退します、多分。でも、報酬に左右されるかもです。
2008年4月23日水曜日
民間企業以外の内部統制も怪しいものです
以下は、朝日新聞webからの引用です。
職員が保険料10億円を着服 茨城県国保団体連合会
2008年04月22日12時39分
茨城県国民健康保険団体連合会(水戸市)に勤務する男性主任(34)が、約3年間にわたって同連合会が保管する保険料約10億円を着服していたことが22日分かった。同連合会は、主任を業務上横領などの疑いで県警に刑事告訴する方針だ。
同連合会によると、主任は今年3月までの5年間、会計課に所属し、市町村が集めた保険料を医療機関に診療報酬として支払う業務などを担当していた。05年ごろから上司の印鑑を無断で使用し、保険料が入金されている連合会の銀行口座から、1回あたり現金約300万円を窓口で度々引き出したという。1日に1千万円近く引き出していることもあり、着服総額は約10億円に上るという。
今月18日、主任からの申し出で発覚。主任は同日、水戸署に出頭したといい、同連合会の調べにも応じた。 主任は決算期などに同連合会の帳簿を改ざんするなどして発覚を防いでいたという。
同連合会に対して、主任は「ギャンブルにのめり込んでしまった。着服した金は競艇で使った」などと説明。着服した金の大半を競艇につぎ込み、競艇で勝って手にした数千万円は妻に渡した、と話しているという。
同連合会は、主任について「普段派手な様子はなく、勤務態度はまじめで欠勤もなかった」と話している
今現在、民間企業は財務報告に係る内部統制の整備に費用と人員を投入、その対応に四苦八苦しています。もし、この記事のような巨額の横領が民間企業で発生した場合、それを防ぎ得なかった経営者は、適切な内部統制を構築しなかった責任を問われる可能性大ですね。
しかし、3年間で10億ですから、発覚しなかった事の方が不可解ですね。別な報道によると本人が告白して発覚したそうですから、連合会自ら不正を見つけ出す仕組みが無かったのですね。
恐妻家もしくは愛妻家だったのか奥さんに数千万円を渡し(奥さんも不思議に思わなかったのでしょうか)、残りはギャンブルで使い果たしたとのこと(これも凄いことですね)、回収の見込みはないようです。結局、当該の健保組合の加入者が損害を負うことになりそうです。
しかし、地方自治体や第3セクターの経理上の不正が酷すぎます。金額も半端じゃない。2002年に
青森県住宅供給公社の経理担当者が十四億六千万円を横領、大半を外国人妻に渡し、殆ど回収できなかった事件がありました。
今回の犯人も青森住宅供給公社の職員も真面目で勤務態度の良かったとのことです。だから会計経理の監査をしなかったのでしょうか。発覚しなかったのですから、なんの調査もしてなかったのは明白です。真面目でなかったら監査したのでしょうか。きっと責任者の言い訳は、性善説の考えにたっていたとうことなのでしょう。
内部統制は、性善説性悪説で考えてはいけないのです。テレビの報道では、上司は当該職員を信じきっていた、上司の印鑑を勝手に使っていたとしています。一日に一千万を引き下ろしたこともあったそうです。全く内部統制が無かったと断定していいですね。
民間企業に財務報告に係る内部統制を強いるのも結構ですが、地方自治体や第3セクター、公益事業体、独立行政法人などへの内部統制の導入、真剣に考えてもらいたいものです。
以上、怒りを込めて
2008年4月1日火曜日
内部統制評価報告制度の開始
�� 京都議定書約束期間の開始
京都議定書目標達成計画により、日本は温室効果ガスを1990年(代替フロンについては
1995年)の排出量より6%の削減を2012年までに達成すること義務付けられた約束期間の
開始。
�� 財務報告に係る内部統制評価報告制度
2007年施行の金融商品取引法に基づき、全ての上場企業並びに所定の条件に該当する
関連企業の経営者は、決算報告に関係する文書や情報の適切性を確保する仕組み、内部
統制を整備、その有効性を評価して報告書を作成し報告することが義務付けられます。
’情報セキュリティコンサルタントのお気楽Blog’と銘打っている以上、本日のお題は’財務報告にかかる内部統制評価制度’です。だからといって京都議定書に係る問題に関心がないのではありません。仕事や立場を離れれば、内部統制の問題以上に関心がります。機会がれば、当Blogでも取上げてみたいと考えています。
(今日は、あちこちのBlogで、本件が取り扱われるのでしょうね)
以下は、2008年3月31日の産経新聞Webからの引用です。
「内部統制報告制度」あすから 入念準備に“過剰反応”も
3月31日8時26分配信 フジサンケイ ビジネスアイ
≪不正会計防止狙う≫
新年度入りする4月1日から多くの新制度がスタートするが、企業経営に最も大きな影響を与えるのが、粉飾決算などの不正会計の防止を目的に導入される「内部統制報告制度」だ。すべての上場企業に対し経営者による社内管理体制の自己点検を義務づけるもの。各社とも入念な準備を進めてきたが、処分を恐れ“過剰反応”する事例もみられ、依然として手探り状態というのが実情だ。
内部統制報告は、2007年に施行された金融商品取引法に基づく制度。決算の信頼性に関わる経営上のリスクをリストアップした上で、業務の流れや管理の仕組みを文書化。内部統制がきちんと機能しているかを客観的にチェックできる仕組みづくりを求めている。
4月以降に始まる新年度の決算から、有価証券報告書と併せて、監査法人などの外部監査を受けた「内部統制報告書」の公表が義務づけられる。実際の公表は、09年3月期の決算が開示される来年6月ごろとなる。
監査法人のトーマツが1月末に上場企業292社を対象に行った調査によると、「取り組みを実施している」と回答した企業は290社(99%)にのぼり、ほとんどの企業で何らかの準備を開始していた。「文書化」や「内部評価」をすでに実施した企業が84%の247社に達し昨年度調査の19%から急伸。トーマツは「作業が大きく進捗(しんちょく)してきた」とみている。
ただ、東証1・2部上場企業では47%が文書化を終了しているのに対して、新興市場の上場企業では24%にとどまり、遅れが目立っている。
また、罰則を恐れ、「実務の現場では、一部に誤解に基づいた過度に保守的な対応が行われている」(渡辺喜美金融担当相)。具体的には、重要な欠陥があってもそれだけでは上場廃止や罰則対象にはならないが、すべての文書を保存しようとしたり、新たに特別な文書作成するなど過剰な対応をとる企業があるという。
≪SOX法に“誤解”≫
“誤解”の背景には、同制度が米国でエンロンやワールドコムなどの巨額粉飾事件を受けて2002年に導入された厳格な企業改革法(SOX法)を参考に導入されたことある。
このため、金融庁では3月中旬に新たなQ&A集を公表。米SOX法が「厳格すぎる」との批判を受けていることに配慮し、内部統制の対象を絞り込んだことや、企業が従来作成している記録をそのまま内部統制に利用できることなどを紹介し、冷静な対応を呼びかけている。
個人情報保護法対応、そして引き続いての内部統制評価報告制度への対応においては、当該企業や会計監査法人、コンサルタンティングファーム、システムインテグレータ、ITベンダーが、狂想曲を奏でてきました。ある企業にとっては、対応すべき課題であり、ある企業のとってはビジネスチャンスdeあり、ある企業のとっては両方でありました。
その狂想曲が奏でられる中で、摩訶不思議な商が品登場してきました。’内部統制対応ソリューション’、’J-SOX対応ソリューション’などと呼ばれるものです。ソリューション(solution)、その字義は解決です。その、ソリューションという表現に疑問があります。
内部統制評価報告制度では、当該企業の経営者が自社の財務報告に係る内部統制についての評価報告書を作成、外部監査を受けなければなりません。それも毎年であり、一過性のものではないのです。もし、外部監査で適正意見がつかなかった場合、解決なのでしょうか。当該のツールは、監査法人が適正意見を表明してくれることまで保証するのでしょうか?
内部統制評価報告書作成支援ツールなら判ります。内部統制評価報告書作成までを支援するのであれば、監査法人の監査が対象外になり、まだ理に適っています。
また、内部統制評価報告制度は、継続的改善も念頭にあり、制度の維持改善も課題なのであり、その観点からも解決を意味するソリューションという表現は適切ではないと思います。継続的改善は、一回の対策での解決を意味するのではないのですから。
個人情報保護法から内部統制評価報告制度に続くこの狂想曲、過去に経験したことがあり、其の時の光景がまざまざと思い出されます。あれから、10年の月日が流れようとしています。
10年前のあの日、その狂想曲は、内部統制評価報告制度を巡る熱狂を上回り、報道機関も盛んに特集を組んでいました。そのタイトルも金融パニックになる、電気ガス水道の供給が止まる、核ミサイルが誤動作するなど、国の存立に関わるものでした。その狂想曲の曲名は’2000年対応’と言いました。
2000年問題が、関係者以外の人々の口に上り、マスコミの煽りもあって、個人情報保護法や内部統制評価報告制度を上回る社会的現象(と私は思います)になり始めたのでは、1998年頃からでした。
なにせ、私の母親がミネラルウオーターの買い溜めをしておいた良いか聞いてきた程です。また、友人の一人は、貯金は全額引き出しておいた方が良いか悩んでました。 私は、母にはそれで安心するな買っておいた方が良いと答え、友人には通帳記入をして、預金残高を証明できるようにしておけば良いと話しました。
1999年から2000年に関しては、IT関係企業、ユーザ企業の社員が新年を勤務先で向かえ、社員の休憩のために、都内のホテルの多くが、当該企業に押さえられ、年越しの一夜を高級ホテルでと計画していた多くのカップルが割りを食いました。年越し社員の食事や夜食のため、仕出し弁当屋が特需となり、ミネラルウオーターが売れたのです。
そして・・・・ 金融パニックも起きず、電気ガス水道も滞りなく供給され、各ミサイルの誤作動による第3次世界大戦にもならず、従ってケンシロウやトキ、ラオウ、シン、レイ、サウザー、ファルコ、カイオウ、ヒョウ、ハン、シャチ、バット達が血で血を洗う闘争の世界にもなりませんでした。
私も、1999年12月31日は、当時在職していたソフトウェアベンダーの年越し要員として出勤し、紅白歌合戦や年越し番組を同僚と鑑賞、会社の用意した夜食をつまみ、夜明けを向かえ、担当時間が終わったところで、ビールで新年の乾杯をし、眠い目を擦りながら家路についたのです。そして、その年の3月に最初の転職をしました。
結局、社会的事件になるようなことはおきませんでした。勿論、影響が皆無でありませんでしたが、殆どが企業内で対応可能なもので、政府民間企業、一般市民を巻き込んだ大騒動は、人々の記憶の彼方に消えていきました。
私が、2000年問題に初めて直面したのでは、1988年です。これは、ある理由で明快に記憶しています。この年のある日、某金融機関に呼ばれ、打合せに参加しました。当時は、都市銀行11行体制で、系列の信託銀行、長期信用銀行3行の時代でした。こういった金融機関は、大蔵省や日本銀行の規制や基準、業界基準に対応するために、一部のデータを長期保存していました。金融機関によっては、定められた期間以上の設定をしている場合もあり、10年以上保存とケースも珍しくありませんでした。当時は、大手企業のコンピュータと言えば、メインフレームであり、それ以外は考えられませんでした。従って、たのプラットホームと区別する必要すらなく、メインフレームと言う用語も、現在と違い一般的なものではありませんでした。
当時のIBM及び富士通、日立のIBM互換メインフレームは、データ保存期限を下記のキーワードで設定していました。
EXPDT=yyddd
yyは西暦の下二桁(2000年問題の元凶です)、yyyは通算日付、通称ジュリアンデートです。通算日付とは、何月何日という表現ではなく、元旦か一日づつ足しこんでいく方法です。99001は1999年1月1日、99365は1999年12月31日となります。日本IBMが社員に配布し、またノベルティにしていた手帳やカレンダーには、mm/ddの日付とこの通算日付が併記されていました。現在も同様です。私たちもIBMの手帳かカレンダー入手し、カバンや引き出しに入れておいた、当時のメインフレームエンジニアの必需品でした。
問題は、この99365のあったのです。99364は、1999年12月30日までの保存です。では、99365は、1999年12月31日でしょうか。実は、違うのです。99365は、IBMや互換機メーカーのOSは、特別の意味を持ち永久保存と定義されていました。しかし、それでは10年を経過しても永遠に保存されることになり、データ管理上由々問題でした。10年保存を実施している場合は、1989年から保存期限を設定するキーワードして、99001から99365の使用を開始し、また1990年以降の場合は、10年保存は2000年台に突入するわけです。
当時のOSでは、99365の取り扱いと、西暦下二桁では2000年は00になり過去と認識されることが問題でした。所謂2000年問題の嚆矢です。
この問題に1988年から対処しようということで、当時私はCA-1という磁気テープ管理システムを担当していた関係で、その金融機関から対策会議に呼ばれたのです。
その時は、2000年問題と言わずに21世紀対応と表現していました。こういった経緯から西暦の下二桁の問題、2000年問題を認識し、その金融機関では、対応を開始していました。だから、社会的問題になり始めた1998年に時点では、ある程度の対応を粛々と進めていた企業も珍しくなく(特に大手金融機関)、あの一種の熱狂を醒めた目で見ていた関係者も少なくなかったです。私の知るある金融機関の担当者も、何もないと断言はできないが、金融パニックなど心配することはないと話していました。
2000年問題と特集した報道番組で、2000年問題評論家なる人が登場し、得々と如何に危機的状況かを語っていました。そして、巷には2000年問題対応ソリューションが数多く登場したのです。それ以来、私は’何々ソリューション’に懐疑的になりました。私は自分で作成する資料には、ソリューションという単語は極力使いません。
2000年問題評論家、現在は如何にお過ごしでしょうか。ノストラダムス評論家が、今だに新しい解釈見解を発表しているように新しい危機の評論をされているのでしょうか。はたまた、個人情報保護法や内部統制評価報告制度においても、2000年問題当時の社会現象化には至っていなくとも、この狂想曲の中で、何らかの楽器の演奏をされているのでしょうか。
あの2000年問題の熱狂も、人々の記憶からすっかり忘れ去られました。内部統制評価報告制度から何となく、過去を振りかってみました。
2007年10月29日月曜日
社会保険庁-内部統制の欠如の典型
話してでた統制の欠如の数々、情報セキュリティの観点から
1 機密性の欠如
初回保険庁の職員は、職務権限のないのに、被保険者の個人情報を
盗み見、あろうことか外部にリーク。しかも、処罰後にまた遣る豪
の者も。
しかし、誰でも被保険者情報が検索できるということは、アクセス制
御、してないんですね。
2 完全性の欠如
被保険者の名前、住所、生年月日など正しく入力されていない。
こんなデータ、誰が信用するのでしょうか。
入力されていないデータ多数、原本も可也の数が廃棄済み。
検証もできないです。
3 可用性
システムに詳しい担当者もいない。SI業者にお任せ。大丈夫?
4 その他
契約書のなく、請求されるままにSI業者に数千億の支払い。
民間企業であったら、会計監査で会計士さんは適正意見、
付けられないのではと。
政府系機関でも、こんない酷いところ、他にないでしょう。先程、民営化した郵政事業、郵政観察はあるし、民間金融機関、宅配業者等との競争もあるし、まだまともですね。
各々が、各々の観点を披露しての議論、楽しかったです。また、こんな機会が欲しいですね。
しかし、社会保険庁(そして、自治労)、凄い組織です。CPA、CIA、CISAで集まって、この組織の内部統制について実態調査をすると面白いかも。
2007年9月9日日曜日
年金横領 - 内部統制の欠如
ある地方自治体では、複数の横領があったことが報道されています。再発防止が為されていなかったからなのでしょうか。これらのケース、民間企業だったらと考えてしまうのは、小生だけではないと思いますが・・・
以下は、産経新聞Webからの引用です。
社保庁職員横領1.4億円 市町村でも2億円
公的年金の記録不備問題に絡み、昭和36(1961)年度の「国民皆年金」スタート以降、平成13(2001)年度まで国民年金保険料の収納事務を扱っていた市区町村で、職員らによる保険料着服が23都道府県の44自治体で総額2億78万円に上ることが3日、社会保険庁の調査で分かった。
また社保庁職員による年金保険料などの着服は、昭和37年度の同庁発足から平成18年度までに計50件、総額1億4197万円と新たに判明。いずれも総務省の年金記録問題検証委員会に同庁が資料を提出した。
納付記録はすべて訂正済みで給付には影響がないとされるが、これまでに不正が指摘されていた社保庁だけでなく、市区町村職員の着服が多数発覚したことで、年金記録をめぐる国民の不信感はさらに高まりそうだ。
自治体職員の着服は、古くは昭和41年度から、収納事務を国に移管する直前の平成13年度までに各地で発生。回数で最多の3件が起きた栃木県日光市では、昭和59-62年度にまたがる事例だけで5736万円に上った。
一方、社保庁職員による着服は、年金保険料が22件(約3400万円)、給付された年金が13件(約8000万円)、健康保険関連の給付金などが15件(約2800万円)。計50件のうち3件で被害弁済できていない。41人を免職、3人を停職としたが、ほかは職員の退職や死亡などで処分していない。
刑事告発したのは277件、うち11件で有罪。社保庁が自発的に公表したのは24件にとどまった、同庁は「平成10年度以降はすべて処分、公表している」という。
8月31日に閣議決定された政府答弁書では、社保庁職員の着服などの不正は平成7年以降で26件、総額約1億1300万円とされていた。
(2007/09/03 18:39)
例えば、日光市。三件の横領があったとのことです。社会保険庁も負けず劣らず、国民の財産を平然とポケットに入れていたようです。
これが、民間企業だったら、間違いなくSOX法には対応不可の烙印押されるでしょう。財務報告にかかる内部統制が全く整備されず、もしくは機能していないと判定されることは間違いなしです。
不正を防止/発見/是正する仕組みが無かったとしか思えません。これは、やはり社会保険庁や地方自治体の組織構造や意識に問題があるのしょうね。
2年程度で移動し責任を果たす事の無いキャリアの管理職、長官や首長。チェック機能を果たさない議会。多くの認証システムでは、マネジメントの重要性を強調しますが、この年金横領の報道を見聞きす度に、然りと思います。
年金改革、社会保険庁の解体だけでなく、しっかりとした責任をもった、自覚あるマネジメントシステムの構築も必要ですね。
2007年4月29日日曜日
J-SOX法の影響
以下は、産経新聞Webからの引用です。
SOX法にらみ慎重に…電機大手、決算発表延期 相次ぐ
企業の財務報告に関する規制強化に対応しきれずに、決算発表を延期する電機大手が相次いでいる。2007年から、米国で上場する外国企業に対して米企業改革法(SOX法)が適用されたが、大幅に増えたチェック作業に追いつけない日本企業も出ており、万全を期すために日本国内の決算発表日を延期するところも出始めた。
すでに、日立製作所、TDK、ソニーなどが従来の4月下旬から5月中旬へと、国内の決算発表日を後ろ倒しした。
来年度には日本版SOX法が国内上場企業に適用される。決算書の早期開示を求める東京証券取引所は「基本的には投資家保護が目的。スピード感は必要だが、中身を伴うことが肝心」と正確さを求めている。
◇
【用語解説】日本版SOX法
昨年6月成立した金融商品取引法に定められた内部統制報告制度の通称。米エネルギー大手エンロンの不正会計事件を契機とした米企業改革法(SOX法)がモデル。投資家保護への公正な財務報告のため、取引や業務内容のITによる保存と、その管理体制の外部監査が義務づけられている。すべての上場企業と連結売上高の上位3分の2を占める関連企業が対象。虚偽記載などには経営者に5年以下の懲役か500万円以下の罰金も科される。
(2007/04/28 23:36)
Webではなく、実際の紙面にはもう少し詳細な記事が掲載されていますが、要するにSOX法への対応に慎重になるが故に決算発表を延期する企業が相次いでいるとの報道です。
米SOX法はダイレクトレポーティング方式ですから、監査法人による監査が例年以上に時間がかかったいるようです。そのために某大手総合電気メーカーが米証券取引委員会(SEC)への年次報告書の提出が期限に間に合わない事があったようです。しかし、別の家電大手メーカーは、数年前から準備し、なんとか乗り切ったようです。
企業の対応が明暗を分けたようですが、来年のJ-SOX法適用への影響が必至だと思われます。とうとう一年をきりましたが、関係する皆さん頑張りましょう。
2007年1月28日日曜日
米型「内部統制」は効果疑問
そういう訳で、今日の話題は、一昨日金曜日の産経新聞の論説です。
以下は、産経新聞Webからの引用です。
【正論】神戸大学教授・加護野忠男 米型「内部統制」は効果疑問
神戸大学教授 加護野忠男氏(撮影・奥地史佳)
■日本企業に合わず競争力低下も
≪社内手続きを公式化する≫
日本の上場企業が、厳格な内部統制システムの導入に向けて準備を進めている。アメリカのサーベンス・オックスリー法(略称SOX法)を手本に日本の証券取引法が改正され、新たに金融商品取引法が制定された。この新法は、本家の名前をとって「日本版SOX法」と略称される。
この法律では、上場企業は2009年3月以降の最初の決算期までに、内部統制のシステムを作らなければならない。まず経営者が自己点検を行い、それを公認会計士が監査することが義務づけられる。内部統制システムの監査に備えて、経営者は業務の流れや社内手続きを公式化し、文書に記録させる必要がある。
アメリカのSOX法は、エンロンやワールドコムなどで相次いだ粉飾決算を防ぐためにつくられたもので、この法を施行するために、企業が従うべき内部統制の手順が事細かに規定されている。アメリカでも細かすぎるのではないかという批判が出てきて、見直しが進められている。
ところが日本ではかなり厳格なシステムが導入されそうである。このような厳格なシステムの導入が義務付けられると、企業はよい経営ができなくなる。投資家の利益も損なわれることになる。次の4つの問題があるからである。
≪コスト大きく組織硬直化≫
第1に、このような制度は、その導入に大変大きなコストがかかる。ところがそのコストを正当化するだけの効果が期待できそうにない。
第2に、日本の場合、このような制度は不要である。アメリカ型の内部統制システムは、経営者も管理者も必要に応じて外部から雇い入れるというアメリカの人事制度を前提にしてつくられたものである。
日本の会社にはもっと効果のある仕組みがある。人事部を中心にした多重的な信頼チェックシステムである。日本のトップや管理者は、内部から時間をかけて昇進してきた人々がほとんどである。長時間の間に、その人物が信頼できるかどうかが、多くの人々の目でチェックされている。このような濃密な内部統制が行われているところでは、アメリカ型の形式的な内部統制システムは不要なのである。それよりも、人事スタッフを増員するほうがよほど効果的である。
第3は、官僚主義の弊害が出てくることである。何事もルールに従って判断するという官僚主義的な仕事の進め方がうまく機能するのは、環境の変化がほとんどなく、顧客を待たせても問題が起こらない場合である。残念ながら、そのような恵まれた環境にある日本企業はほとんどない。
最後の問題点は、日本企業の独自の強みが失われてしまう危険があることだ。日本の組織の強さは、現場がその知識に基づいて、ルールや手順を柔軟に変えていくことにある。それをトップダウンで決めてしまうと、企業としての柔軟性が失われてしまう。まさに角を矯めて牛を殺すという結果になってしまう。
このような問題があるために、内部統制システムを導入すると、良い経営が行えなくなる。それにもかかわらず、硬直的なシステムの導入が義務付けられるのは、投資家の信頼回復、投資家保護という大義名分のためである。
≪投資家にとり大切なこと≫
投資家にとって大切なのは、企業で良い経営が行われて、企業価値が上昇することである。にもかかわらず、投資家保護がこの本来の目的から外れてしまうのは、規制当局の論理が優先されてしまうからである。
規制当局には、投資家にとって望ましくないことを避けさせようとする姿勢がある。そのようなことが起こったときに規制当局者の責任が問われるからである。規制当局には、投資家にとって良いことを実現させるという任務はないのである。そのために、不祥事が起こるたびに企業に課せられるルールが厳しくなっていく。
最近の日興コーディアルの利益粉飾事件のように投資家をだまそうとする企業経営者は後を絶たない。確かにそのとおりなのだが、このような経営者は全体から見ればごくわずかである。にもかかわらず、このような例外的経営者を想定したルールがつくられ、健全な企業の経営の邪魔をしてしまう。内部統制のシステムはまさにそれである。
硬直的な統制制度が導入されれば、日本企業の将来が心配だ。不祥事は防げるが、企業の競争力も低下するだろう。上手な規制をしないと、株価は上がらない。下手な投資家保護は投資家の利益にはならない。(かごの ただお)
(2007/01/26 09:36)
J-SOX法の対象なる企業は、同法への対応のために業務プロセスの文書化、手続きの再検証など、今後一年間で作業を終える必要があります。
現時点においてもSOX法そのものには、色々は議論があります。上記論説のように、無用だというもの、いや必要だという意見、ダイレクとレポーティング方式への見直しが必要だ・・・云々などなどです。
私は、SOX法のような内部統制の導入は有用だと考えています。ただ、どの程度まで実施すればいいのかという検討は必要だと思います。が、まずは企業内での遵法意識の向上でしょうね(法律だけでなく、社内規定なども含めて)。それが無ければ、どんなに高度な内部統制の仕組みを導入しても形骸化してしまいます。談合決別宣言後も地方支社で継続していた建設会社、取得したISO基準を遵守していなかった食品会社・・・ 制度は適切に運用されてこそ意義があるものですから。
2007年1月20日土曜日
「システム管理基準 追補版(財務報告に係るIT統制ガイダンス)(案)」
「システム管理基準 追補版(財務報告に係るIT統制ガイダンス)案)」の策定には、丸山副会長や原田元会長、日本大学の堀江教授などISACA東京支部の関係者も参加されています。約150ページと少々量がありますが、目を通して見ようかと思います。
「システム管理基準 追補版(財務報告に係るIT統制ガイダンス)案)」
J-SOX対応もこれから本番、その作業の指針として有効だといいですね。
2006年9月14日木曜日
組織内部のモラル
以下は、産経新聞Webからの引用です。
大分県玖珠(くす)町の陸上自衛隊玖珠駐屯地で小銃や拳銃が紛失した事件で、紛失が発覚する2日前の6日の業務終了時から、武器確認が行われていなかったことが13日、陸自の調査で分かった。陸自は内部犯行とみて、関与した可能性が強い隊員数人に絞り込み、事情聴取を行っている。
陸自によると、武器確認は平日の朝夕に実施することになっている。紛失は8日に発覚したが、小銃は5日夕方、拳銃は6日朝の点検を最後に、以降、平日にもかかわらず確認されていなかったことが分かった。
さらに、武器庫の鍵と、小銃や拳銃を保管する箱と棚の鍵は、別々の隊員が保管・所持する規則になっているにもかかわらず、両方の鍵を1人の隊員が所持。常時携帯しなければならないのに、事務室にある自分の机の無施錠の引き出しに入れっぱなしにしていた。
ずさんな管理は常態化していたといい、規則に反した武器管理が浮き彫りになっている。
玖珠駐屯地では第4戦車大隊本部管理中隊の武器庫で、8日午後3時ごろ、点検で64式小銃1丁、9ミリ拳銃1丁、拳銃用弾倉2個、双眼鏡1個、小銃用弾倉1個の紛失が確認された。
拳銃、小銃の弾薬は別に保管されており、紛失していなかったが、重大事案として警察に通報。陸自でも大がかりに捜索しているが、まだ見つかっていない。陸自では内部犯行とみて、警務隊を中心に調査を続けている。
武器管理の規則上、平日の朝夕に実施することとなっていた武器庫の点検、別々に保管するはずの武器庫の棚と箱の鍵、これが双方とも遵守されていなかったこと、これ見過ごせません。現在のところ、この規約違反と紛失の因果関係は不明確ですが、無関係とは思えません。
外部からの侵入の形跡がないのであれば、当然内部の人間を疑わざるを得ません。何故ならば、出入りが厳重に管理されている自衛隊駐屯地内ですからね。
仮にそうであった場合、駐屯地内の自衛隊員のモラル、武器管理規則など内部諸規定の遵守意識や有効性/実施状況の監視など内部統制上の課題が問題となりますね。組織内の各構成員のモラルが適切に維持され、内部規則た県連法令が遵守されること、これは内部統制の基本であろうと思うからです。
紛失した小銃と拳銃の早期の発見、原因の究明とともに駐屯地内の内部統制の見直しが望まれるます。
2006年5月29日月曜日
内部監査人資格が注目中です
注目集める内部監査人 米では公認資格 時流先取り専門講座も
米国の資格である公認内部監査人(CIA)に対する注目度が高まっている。西武鉄道、カネボウ、ライブドアなど上場企業で有価証券報告書の虚偽記載や粉飾決算などの不祥事が相次いだことをきっかけに、金融庁が平成二十年三月から、企業の内部統制導入に向けた制度づくりを進めているためだ。時流を先取りし、資格取得のための講座を開設した専門学校も出始めた。
「これまではたまたま社内で配属された人がやっていたが、日本でも法制度が導入されれば専門知識を持つプロの内部監査人が不可欠になる」
CIA資格取得のための講座を今年二月に開講したU・S・エデュケーション(東京都渋谷区)の三輪豊明社長は、時代に先駆けて講座を開講した理由をそう説明する。同社の講座は、すでに商社や電機メーカー、金融機関などの大手企業社員を中心に百人以上が受講しており、その多くが五月中旬か十一月中旬の資格試験に挑戦するという。
エネルギー大手のエンロンや、通信大手ワールドコムの不正会計事件を受けて米国で導入された企業改革法(SOX法)が求める内部統制とは、正しい財務諸表を開示できる体制を整えることで、違反すれば経営者は最高五百万ドルの罰金、二十年の禁固刑のリスクにさらされる。このため企業はあらゆる部門に対して内部監査を行い、監査法人のチェックを受けて正しい情報を開示する。この内部監査を手がけるのがCIAだ。
米内部監査人協会が認定するこの資格は現在、七十八カ国、十三の言語で受験可能で日本語も含まれる。米国と異なり、日本の内部監査人には資格は不要だが、専門知識を求めて九百人余りが資格保有者となっている。金融庁が内部統制導入に向けた準備を進めている中で、「体系的な知識習得のために資格取得を目指すことにした」(大手電機メーカー社員)といったケースが増えている。
金融庁が進める証券法改正の動きとは別だが、新会社法も企業に内部統制を求めており、人材は不足気味。企業経営者は、短期間のうちに人材育成、人材獲得を迫られており、内部監査人の需要はますます高まりそうだ。
日本版SOX法に関係する記事です。企業の内部統制が重視され、それに伴い内部監査が重視されているというのが趣旨のようです。
内部統制に関しては、システム監査や情報セキュリティ監査などでも重視されてきたのですが、今までは注目されたとは言えませんでした。しかし、SOX法対応にのキーワードして頻繁にマスコミに取り上げられるようになりました。
内部監査人(CIA)、注目されているようです。CISAやCISMも同じようになれたらいいのですが。
CIAを目指す方、CISA保持者はほんの少し有利なようです。目指すのは如何でしょうか。
内部監査人協会
2005年11月29日火曜日
マンション耐震設計偽装問題
マンションなどの耐震強度に関する構造計算書の偽造を見過ごした民間検査機関イーホームズ(東京都新宿区)に、国土交通省がほぼ毎年、定期的に立ち入り検査をしながら、同社の審査態勢の不備を指摘してこなかったことが明らかになった。帳簿の保管状況や検査員数の点検が中心で、建築確認の審査方法の中身は詳しく調べていなかった。こうした事態を受け、国交省は、民間検査機関への検査のあり方を見直す。
また、現行の建築確認制度では、書類審査ですべての偽造を見抜くのは困難として、欠陥建築物の被害者に対する補償の強化にも乗り出す。
国交省によると、民間検査機関への立ち入り検査は建築基準法に基づき、年1回程度で、「建築基準適合判定資格者」の資格を持った1級建築士の数や確認書類の保存状況、利害関係のある業者への検査の有無など、事務上の不備に関する点検が中心。構造計算書を個別に再計算することはなかった。
イーホームズに対しては、ほぼ毎年度末に実施。10月24日には抜き打ちの検査もしたが、書類の保管の不備について改善を指導しただけで、構造計算書の審査状況は調べなかった。今回の偽造問題発覚後に立ち入り検査をするまで、審査手続きの違反には気づかなかったという。
昨年は立ち入り検査をせず、建築基準法で定められた定期報告で事務概要や財務状況の書類を提出させていた。
国交省は偽造見過ごしの再発防止策として、立ち入り検査の強化を検討。構造計算書など重要書類の一部を抽出して詳しく点検するなどの案が浮上している。
ただ民間検査機関は122あり、建築確認の総数は年間約75万件。国交省は審査ミスを完全になくすのは困難とみており、建築確認の審査をすり抜けた欠陥建築物の被害者に対する補償の実効性確保が今後の検討課題だとしている。建物に欠陥があった場合に補償金が支払われる保険の売り主への加入義務などを軸に検討する。国交省幹部は「これまでの建築確認制度は性善説で運用してきた。今後は性悪説で制度全体を考える必要がある」と話している。
前にもこのBlogで取り上げましたが、性善説/性悪説の話題がでてきました。いい加減にして欲しい、これが率直な感想です。情報セキュリティの分野に性善説/性悪説のような哲学論争を持ち込むな、が私の主張です。これは、情報セキュリティだけでなく、今回問題なっている建築確認の制度のなかでも同じであろうと思います。性悪説によって、人を信じるなということでなく、制度の中で発生しうるリスクに備えるということに関しては、考え方は同じでしょう。国交省幹部の言いようは、性善説に考えてきたから何もしてこなかったいう言い訳にしか思えません。
ある制度は設計、構築し運用していくに当たり、性善説/性悪説のような決着の付かない論争を持ち込むのでなく、制度に潜むリスクをいかにコントロールしていくかを重視すべきではないでしょうか。
性善説/性悪説という哲学的思考を否定するつもりは全くありませんし、自分でも考えることがあります。しかし、もう一つのシステム、制度の中に持ち込むことは止めにして欲しいものです。
2005年11月18日金曜日
社内監査
以下、2005年11月18日、読売新聞のHPから引用です。
千葉県の建築設計事務所が首都圏のマンションなど21棟の耐震強度を偽装していた問題で、このうち20棟の建築確認を行った民間の指定確認検査機関「イーホームズ」(東京都新宿区)の藤田東吾社長ら幹部が18日、東京・霞が関の国土交通省で記者会見し、構造計算書のずさんな偽造を見逃したことについて「(検査で)ミスはあったが、本質的な問題ではない。検査は適正に行われており、当社に過失はない」と責任を否定した。
問題の偽造書類には、耐震基準を満たしていれば、印字されるはずの「認定番号」がなく、大臣印付きの「認定書」なども添付されていなかった。
偽造発覚につながったかもしれない、こうした不備を見逃したことについて、同社の担当者は「計算方法によっては認定番号が印字されないこともある」と釈明。認定書などの不備についても「認定書の代わりに(コンピューターソフト会社が利用者に発行する)証明書が付いていたので実質的に事足りると判断した」と独自の解釈を展開した。
しかし、「正規の手続きではなく、まずいことはまずかった。さらに検査の適正化を図っていきたい」とミスがあったことを認めた。
この問題は、今年10月、同社が定期的に行っている社内監査で、抜き取りにより監査対象となった書類に「認定番号」が印字されていないことに監査担当者が疑問を抱き、詳しく調べたところ、偽造がわかったという。p>
建築関係は全くの素人なので、この確認検査機関の責任ついて云々することは出来ません。しかし、内部監査で問題が発覚したことは注目したいです。社内の問題を発見する内部統制が機能していた、ということでしょう。また。監査人が不審を見逃さなかったこと、評価されて然るべきかと。だから、免責だということにはなりませんが。
