2008年4月23日水曜日

民間企業以外の内部統制も怪しいものです

 茨城県の国民健康保険団体連合会で信じられない巨額の横領が発覚しました。その額なんと10億円、しかも3年間ということです。年当たり333,333,333円、月当たり27,777,777円になります。

以下は、朝日新聞webからの引用です。

職員が保険料10億円を着服 茨城県国保団体連合会
2008年04月22日12時39分 
 茨城県国民健康保険団体連合会(水戸市)に勤務する男性主任(34)が、約3年間にわたって同連合会が保管する保険料約10億円を着服していたことが22日分かった。同連合会は、主任を業務上横領などの疑いで県警に刑事告訴する方針だ。
 同連合会によると、主任は今年3月までの5年間、会計課に所属し、市町村が集めた保険料を医療機関に診療報酬として支払う業務などを担当していた。05年ごろから上司の印鑑を無断で使用し、保険料が入金されている連合会の銀行口座から、1回あたり現金約300万円を窓口で度々引き出したという。1日に1千万円近く引き出していることもあり、着服総額は約10億円に上るという。
 
今月18日、主任からの申し出で発覚。主任は同日、水戸署に出頭したといい、同連合会の調べにも応じた。 主任は決算期などに同連合会の帳簿を改ざんするなどして発覚を防いでいたという。
 
 同連合会に対して、主任は「ギャンブルにのめり込んでしまった。着服した金は競艇で使った」などと説明。着服した金の大半を競艇につぎ込み、競艇で勝って手にした数千万円は妻に渡した、と話しているという。
 
 同連合会は、主任について「普段派手な様子はなく、勤務態度はまじめで欠勤もなかった」と話している   


 今現在、民間企業は財務報告に係る内部統制の整備に費用と人員を投入、その対応に四苦八苦しています。もし、この記事のような巨額の横領が民間企業で発生した場合、それを防ぎ得なかった経営者は、適切な内部統制を構築しなかった責任を問われる可能性大ですね。
 しかし、3年間で10億ですから、発覚しなかった事の方が不可解ですね。別な報道によると本人が告白して発覚したそうですから、連合会自ら不正を見つけ出す仕組みが無かったのですね。
 
 恐妻家もしくは愛妻家だったのか奥さんに数千万円を渡し(奥さんも不思議に思わなかったのでしょうか)、残りはギャンブルで使い果たしたとのこと(これも凄いことですね)、回収の見込みはないようです。結局、当該の健保組合の加入者が損害を負うことになりそうです。
 しかし、地方自治体や第3セクターの経理上の不正が酷すぎます。金額も半端じゃない。2002年に
青森県住宅供給公社の経理担当者が十四億六千万円を横領、大半を外国人妻に渡し、殆ど回収できなかった事件がありました。
 
 今回の犯人も青森住宅供給公社の職員も真面目で勤務態度の良かったとのことです。だから会計経理の監査をしなかったのでしょうか。発覚しなかったのですから、なんの調査もしてなかったのは明白です。真面目でなかったら監査したのでしょうか。きっと責任者の言い訳は、性善説の考えにたっていたとうことなのでしょう。
 内部統制は、性善説性悪説で考えてはいけないのです。テレビの報道では、上司は当該職員を信じきっていた、上司の印鑑を勝手に使っていたとしています。一日に一千万を引き下ろしたこともあったそうです。全く内部統制が無かったと断定していいですね。
 民間企業に財務報告に係る内部統制を強いるのも結構ですが、地方自治体や第3セクター、公益事業体、独立行政法人などへの内部統制の導入、真剣に考えてもらいたいものです。
以上、怒りを込めて

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