以下、朝日新聞からの引用です。
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「ディープスロート」はFBI元高官 米誌で自ら明かす
2005年06月01日07時26分
ウォーターゲート事件での情報源「ディープスロート」だったことを明らかにしたマーク・フェルト氏=AP
ニクソン米大統領の辞任という米国史を揺るがすスキャンダルに発展した72年のウォーターゲート事件で、事件を暴いた米紙ワシントン・ポストの記者の情報源「ディープスロート」が連邦捜査局(FBI)の当時ナンバー2だったマーク・フェルト元副長官(91)であることが31日、明らかになった。フェルト氏本人が月刊誌「バニティー・フェア」で明かした。ワシントン・ポストも同日、事実であることを認めた。
米調査報道の頂点とされる事件報道の最大の謎が、33年後に初めて明らかになった。公表された月刊誌の記事内容によると、フェルト氏は「私がディープスロートと呼ばれた男だ」と述べた。同氏は事件発覚当時、FBI副長官として機密を知りうる立場にいた。
フェルト氏の孫ニック・ジョーンズ氏は同日、「祖父は職務を越えて危険を冒し、恐るべき不正から米国を救った偉大な英雄だと信じる」と語った。フェルト氏は「ディープスロートはこれまで犯罪者と思われてきたが、今では英雄だと思われている」と家族に打ち明けていたという。
ワシントン・ポストの担当記者だったボブ・ウッドワード(現編集局次長)、カール・バーンスタインの両氏は情報源が死ぬまで公表しないとの約束を守ってきたが、同日、「フェルト氏がディープスロートで、ウォーターゲート事件取材で計り知れないほどの支援を受けた」との声明を発表した。
ディープスロートの正体を知っていたのは両記者のほか、当時のブラドリー編集局長の3人だけ。ブラドリー氏も同日、「これほどの秘密が長期間守られたことは驚きだ」と述べ、「情報源の質の高さ」から当時の報道に自信を持っていたと述べた。
情報は、匿名で発言を直接引用しないことを条件に、もたらされたという。
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〈ウォーターゲート事件とディープスロート〉 72年、ニクソン米大統領(当時、共和党)再選支持派がワシントンのウォーターゲートビルにある民主党全国委員会本部に盗聴器を仕掛けるため侵入し、逮捕された。ホワイトハウスは関与を否定したが、ワシントン・ポスト紙のボブ・ウッドワード、カール・バーンスタイン両記者が調査報道で追及。ニクソン大統領自身のもみ消し工作も明らかになり、74年8月、米国史上初めて現職大統領として辞任した。
ウッドワード氏らは情報源の仮名を「ディープスロート」とし、その正体について「本人との約束があり、死去するまでは明かせない」と沈黙を守っていた。事件から30年の02年に正体捜しが改めて話題を集めたが、特定できなかった。
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情報セキュリティに直接関係ないのですが、記事にもあるように、情報源が33年もの間秘匿されたのは驚異的です。秘密が守られたのは、情報源を知っていたのがボブ・ウッドワード、カール・バーンスタイン両記者とブラドリー編集局長の三人だけてあったことが大きな理由でしょうね。need to knowの原則に通ずるものがあるように感じられました。
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