2005年6月19日日曜日

コンプライアンス

月刊文芸春秋の7月号にJR西日本脱線事故にについての、工学院大学畑村洋太郎教授の論文が掲載されました。以下、同誌より引用です。

実は、私のような工学専門家がコンプライアンスと聞くと、「柔らかさ」「柔軟性」というイメージが浮かぶ。「物質に一定の力を加えたときにどれだけ変形が起きるか」という意味の言葉だからだ。反対語は「剛性」である。

「遵法精神」というと、法律や条令をきっちり守るというお堅い印象を受けるが、語源から考えると「社会順応」と訳するのが適当でないか。コンプライアンスとは、「社会の要求に対して、組織がしなやかに協力すること」なのだと思う。

畑村洋太郎氏著 月刊文芸春秋7月号 「失敗学なき組織は滅びる」より引用 



氏は失敗学で著名ですが、この記事は興味深く読みました。コンプライアンスを「社会順応」と捉え、法令法規だけでなく、社会の要求に対しても柔軟に対応していくこと、これは非常に印象的でした。
コンプライアンスが盛んに称えられていますが、法令法規だけに囚われると、それを守っていれば良いという方向に行きかねませんね。法令法規だけでなく、社会的要求にも応えていくことが大事だなと、読み終わった後に、そんな感想を持ちました。

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