2005年11月26日土曜日

あはは

以下は、朝日新聞のHPからの引用です

 地球から約3億キロ離れた小惑星イトカワへの着陸を目指していた探査機「はやぶさ」について、宇宙航空研究開発機構は26日朝、「2度目の着陸に成功し、試料採取装置が作動した模様だ」と発表した。重要な目的だった表面からの試料採取に成功したとみられる。月以外の天体に着陸して試料採取できたとすれば、世界初の快挙となる。
 宇宙機構によると、はやぶさはイトカワへ、岩が少ない「ミューゼスの海」と呼ばれる付近を目指して接近。1個残っていたターゲットマーカーは結果的に使わず、20日の着陸時に投下したターゲットマーカーを目印に、レーザー光で高度を測りながら下りた。

 その後、着陸に向けて姿勢を変更し、しばらく地上と通信できない状態が続いた。午前8時過ぎに送られてきたデータによると、午前7時すぎ、試料採取装置を表面に接触させて金属球を撃ち込んだことが確認された。

 装置の中で、舞い上がった砂などを採取する仕組みになっており、数百ミリグラムの試料採取に成功したとみられる。実際にどれだけ入っているかは、地球に回収するまでわからないという。
 20日の着陸時は、太陽光を浴びて高温になったイトカワの表面に、はやぶさが約30分とどまり続けるトラブルがあり、試料採取はできなかった。今回の着陸は、ほぼ順調に進んだようだ。はやぶさにかけられた経費は約127億円で、7月に彗星(すいせい)へ弾丸を撃ち込むのに成功した米国の探査機「ディープインパクト」と比べると、半分以下の額になっている。

 地球との位置関係や燃料の残量を考慮すると、はやぶさは12月上旬にイトカワを離れる必要がある。地球帰還は07年6月の予定で、オーストラリアの砂漠地帯に試料のカプセルを落とす。



以前にもこのBlogで取り上げた日本の小惑星探査衛星の「はやぶさ」が2度目の挑戦で小惑星イトカワに着地、試料採取に成功した模様です。模様という言い方しかできないのは、引用した記事にもあるように試料の入ったカプセルを実際に回収するまで確認できなきないからです。

中国が有人飛行を成功させ、宇宙開発技術で遅れをとったという見方があります。これは、ちょっと言い過ぎかなと思います。中国の有人飛行は、やはり快挙であり、この面で米国、ロシア(旧ソ連)に続く有人飛行技術を確立させつつあるのは事実で、先進的なことでしょう。しかし、はやぶさの成功も別な観点からみて素晴らしい成功です。

小惑星イトカワまでの3億キロ以上の距離では、地球から遠隔操作することは困難です。地球からの電波が往復するのに30分もかかってしまい、適時に的確なオペレーションを行うことはできません。はやぶさは、自律航行/制御システムでイトカワに近接しながら飛行し、着陸、試料採取に成功したのです。

また、イトカワまで往復させるため衛生本体や観測機器などが小型軽量化されました。燃料を節約するためにです。

はやぶさとイトカワをランデブーさせるための軌道計算、最も効率的な飛行経路の計算と選定、地球など引力を利用したスイングバイなど科学技術計算。

日本が持つ宇宙開発技術、そのバックボーンとなった科学技術水準の高度さを証明しています。

宇宙開発技術は、有人飛行だけで比較考量されべきではないでしょう。米国やロシア(旧ソ連)、それに中国が持ちつつあり、欧州が追随しようとしている有人飛行技術も宇宙開発上の重要な要素です。しかし、月以上の遠方に有人飛行させる術を持たない現状では、無人探査も宇宙開発の基盤となる技術要素ですし、単に送り込むだけでなく地球に帰還させ回収という一連のサイクルを成功させつつあることも高く評価すべきと思います。

観測試料の採取に成功しただけででは、この計画全体の成功とは言えません。はやぶさを地球に帰還させ、試料の入ったカプセルを回収させるまでは、安心できません。はやぶさは、飛行制御装置が故障し、2度の試料採取で燃料を消費し、帰還までぎりぎりの状態です。過酷な宇宙空間で何が起こるかも想像できません。太陽フレアに起因する宇宙線で、日本の地球観測衛星や火星観測衛星など各国の宇宙探査機が機能不能に陥ったこともあります。満身創痍のはやぶさを無事に帰還させことは、今まで以上の困難が付き纏うでしょう。しかし、この世界初の快挙を何としても成功させて欲しいものです。

宇宙航空技術開発機構


小学生のころ、アポロ11号の月面着陸に驚きを覚えました。それ以来の興味を持って、この計画の成功を祈っています。

なぜ、情報セキュリティのBlogに宇宙探査の話題かというと、単純に小生の個人的興味です。ただ、それだけなのです。

1 件のコメント:

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    よく調べましたね

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