かつて、日の没することなき帝国と呼ばれた、British Empireを如何に翻訳するか。
旧来、我が国では「大英帝国」という呼称が一般的でした。「大英博物館」、「大英博物館図書室」、「大英図書館」など「大英」を関した単語があります。こうした単語が明治期に造語された当時、英国は日の没することなき帝国として、まさに世界帝国でありました。
Pax Britannica、パクス・ブリタニカ。強大な海軍力(Royal Navy)を背景とした、イギリスによる世界支配の現実を目の当たりにした明治人達が、文明の象徴として、造語した単語に「大」の文字を当てたのは、無理からぬことと思います。そして、その国名に翻訳する際に、Englandをもって、その代表としたことに、明治人達は何の違和感もなかったのだと思います。なぜなら、England、Scotland、Wales、Irelandの違いが認識されていなかったと思われるからです。
大英図書館 → British Library
大英博物館 → British Museum
大英博物館図書室 → British Museum Reading Room
しかし、実際の正式に名称には「Great」という単語は使用されていないのですね。しかし、当時の明治人達の西洋文明、就中大英帝国に対する憧憬を理解してあげる必要があります。
当時の国際情勢から言って、世界帝国であるイギリスは、まさに大なる帝国、大英帝国であったと思います。従って、「大英帝国」という呼称に、なんら違和感はなかったのだと思います。
Scotlandの独立は、否定されました。しかし、保守党、労働党、自由民主党の三政党が、自治権の更なる拡大を約束しました。そうなると、WalesやNorthern Irelandも同様な要求を掲げてくるのは必須でしょう。そうなると、現在使用されている「イギリス」に関する呼称も、そのままで良いのでしょうか。
個人的な意見として、既に慣用的に使用されている単語に新たな訳語を造語する必要な無いと思います。しかし、地域の独自性が拡大することが必須と思われるのであれば、そのことに敬意を払う必要はあろうかと思います。
現在、ウェストミンスター議会が連合王国全体の議会ですが、Englandは独自の議会を持ちません。もしかしたら、独自議会開設の要求が高まる可能性とあります。そうなると、ますます地域分権の傾向が強まっていくのでしょうね
連合王国としての統一性、England、Scotland、Wales、Northern Irelandの地域性、多様性を、どうやって折り合を付けて行くか。「連合王国」の今後の、大きな課題を思います。
��折しも、ニュージーランドも国旗変更の国民投票が、議論されているとのことです。っ国や地域のアイデンティを如何に尊重していくか、注目されますね)
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