2013年8月9日金曜日

海上自衛隊の最新最大の護衛艦 「いずも」 進水

本blogでも記事を投稿した、海上自衛隊のヘリコプター搭載護衛艦「いすも」が、2013年8月6日に進水しました。


幻の護衛艦   ’ながと’


海上自衛隊の最大の戦闘用艦艇である、基準排水量19,500トンのヘリコプター搭載護衛艦「いすも」が、2013年8月6日に進水しましたが、近隣二ヶ国では事実上の空母、海上帝国主義の復活とか、アジア諸国にとって軍事的が増大と報道されているようですね。はっきり言って大袈裟です。少なくとも近隣二ヶ国以外にとっては、脅威でも何でもありません。

我が空母「飛竜」、横須賀に配備されている米空母「ジョージ・ワシントン」と比較してみます(軍事技術的に違いがあり過ぎて、比較自体が意味もないのですが)。

搭載されている航空兵装は、哨戒ヘリコプターのSH60-JもしくはSH60-Kが7機、輸送・救難ヘリコプター2機の搭載が可能です。これは格納庫に収容する定数で、甲板に直接駐機させることで、最大14機の積載を可能にしているものと思われますね。

我が「飛竜」は作戦機が零式艦上戦闘機18機、99式艦上爆撃機と97式艦上攻撃機18機で計48機、ジョージ・ワシントンがF/A-18EとF/A-18Fを最大56機、EA-18Gを最大6機で合計62機を積載しているものと思われます。それに比べて、我が海上自衛隊の護衛艦「いずも」は、攻撃用航空機を積載せず、艦載している作戦機は哨戒ヘリコプターと、まさに専守防衛の鏡の艦船です。
(飛竜は、真珠湾攻撃に参加した第一航空艦隊の中では中型空母です。第二航空戦隊司令官の山口多聞海軍少将が座乗、加来止男海軍大佐が艦長でした)

元々、海上自衛隊は、矛は米軍に任せ、自らは盾の役割に徹し、巡航ミサイルなどは持たず、哨戒や救難機能を中心として建造されてきており、攻撃的性格は持ち合わせていません(陸空自衛隊も然り)。
今回進水した「いずも」も、防御的性格が明らかですね。近隣二ヶ国の懸念は杞憂というものです。

一部報道に、自衛隊によるF-35Bの導入も検討されているとありましたが、同機種の運用が可能か疑問ですし、それ以上に政治的なハードルが高すぎますね。

「いすも」の前級で全通甲板を初めて装備したDDH「いせ」に、米海兵隊のMV-22オスプレイが着艦訓練を行い、何かと物議を醸しましたね。しかし、MV-22オスプレイそのものは、攻撃的装備はありません。

「いずも」は旧国名で「出雲」、現在の県名で島根県です。そして、その島根県の領域に竹島があります。この点が起きに召さない方々いるようです。しかし、日本の海上自衛隊の防衛的性格(陸空自衛隊も)は明らかであり、国内の県名を護衛艦にしようと、政府と防衛省が当該国に特定を意図もっているとは思えませんがね。
また、日本海海戦で活躍した装甲巡洋艦「出雲」も持ちだして、日本の軍国主義云々と喧伝する向きがあるようです。自分から言わせればナンセンスです。

まあ、軍事的緊張や駆け引きは、仮令同盟国間でもあるように、一朝一夕に解消するものでもないでしょう。実務的関係を継続しながら、信頼醸成処置を講じていくしかないのかんと思いますね。



性能諸元
海上自衛隊 護衛艦「いずも」
排水量 基準: 19,500トン(計画)
満載: 27,000トン(計画)
全長 248.0m
全幅 38.0m
深さ 23.5m
吃水 7.5m

ヘリ搭載容量:
     14機
ヘリ搭載定数:
     哨戒ヘリコプター 7機
     輸送・救難ヘリコプター2機
ヘリ同時発着艦可能
     同時に5機

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帝国海軍 航空母艦「飛竜」
排水量  基準:17,300トン 
     公試:20,165トン
全長  227.35m(飛行甲板長 216.9m)
全幅  22.32m
吃水  7.74m
搭載機   零式艦上戦闘機 :18機
     九九式艦上爆撃機:18機
     九七式艦上攻撃機:18機

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米合衆国海軍 原子力推進航空母艦「ジョージ・ワシントン」
排水量  満載 104,178トン
全長  333 m
全幅  76.8 m
吃水  12.5 m
搭載機  1個戦闘攻撃飛行隊:F/A-18F
     3個戦闘攻撃飛行隊:F/A-18E
     1個電子攻撃飛行隊:EA-18G
     1個早期警戒飛行隊:E-2C 2K

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中国人民解放軍海軍 航空母艦「遼寧」
排水量  基準:53,000-55,000t
     満載:67,500t
全長  305.0m(飛行甲板)270m
全幅  73.0m
吃水  11.0m

(現時点では、実質的海上航空戦力は無いものと思われ)



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