やりました。6年ぶりのノーベル賞受賞、それも物理学部門で3人です。厳密に言うと、南部博士は米国に帰化しているので、受賞国のカウントでは日本ではありませんが。
南部博士が自発的対象性の破れの理論、益川博士と小林博士がCP対象性の破れの理論的解明がが受(授)賞理由とのことですが、社会学専行の私にはお手上げです。
賞金は、南部博士が総額に1/2、益川博士と小林博士が1/4づつということ。これは、自発的対象性の破れが南部博士単独の、CP対象性の破れが益川博士と小林博士の共同の実績ということだからでしょうね。
解説は、報道に委ねることにして、今回の受賞についての感想です。
十数年前、気紛れに買った一冊の本がありました。題名は「ホーキング、宇宙を語る」。著者は筋萎縮性側索硬化症(ALS)で体の自由が無くなっていた、車椅子の天才物理学者スティーヴン・ホーキング博士です。宇宙の成り立ちについての、一般向けの本ということですが、難しかったですね。特殊相対性理論、一般相対性理論、量子力学、宇宙論、天体物理学・・・てんこ盛りです。それから、数年の間に物理学、天文学、宇宙論、相対論等の解説書、科学雑誌などを買って、読み耽っていた時期がありました。現在も毎月購読している科学雑誌のニュートンも、実はこの時期に買い始めたのです。今でも自宅には、この時期に買い集めた解説書やエッセイ雑誌などが、おそらく100冊以上、本棚に眠っています。
で、理解できたかと問われると、理解できないことを悟ったというのが正直なところです。
これらの解説書等で、量子力学や宇宙論などで必ず触れられるのが、自発的対象性の破れ、CP対象性の破れであり、その理論の提唱者として、今回ノーベル証を受賞した南部陽一郎博士、益川敏英博士、小林誠博士の三人が紹介されていました。そして、ノーベル賞受賞に値する画期的な業績であるとも強調されていました。報道にあるように、遅すぎた受賞というのも肯けます。
6年前の小柴博士は、ニュートリノに関する実験や観測で画期的な成果を生み出したことによって受賞しました。今期は、純粋な理論的業績に対しての受(授)賞であり、実験と理論の両面において、我が国の物理学の水準が高きレベルのあることを示したと言えます。
とある報道番組で、評論家の立花隆氏が、今回の三人の受賞は、日本の物理学会全体の悲願であり、そのために学会全体が取り組んできたとの発言がありました。様々な書籍での、3人の取上げ方をみると、そうだろうなと納得できます。
三人の受賞者の研究成果が、日常の生活のどのような影響を及ぼすかについては、何とも言えません。少なくとも、現在は物理学の真理の追究という範疇に留まっています。しかし、100年前にアルバート・アインシュタイン博士が特殊相対性理論を世に送り出し、世界で最も単純で美しい方程式と言われた、e = mc2も当初は、理論上の存在だと認識されていました。しかし、その後に原子核分裂反応、原子核融合反応が実現し、実態社会に正負様々な影響をもたらしていることは周知の事実です。物理学の真理の追究のみと言い切ってしまうことには躊躇を覚えます。将来、三人の受賞者の成果が、人類に何らかの影響を及ぼす(平和的なものであることが望ましいですが)こともあるかもしませんね。
今回の受賞のニュースを聞きつつ、考えたことです。
南部博士、益川博士、小林博士 ノーベル賞受賞おめでとうございます。
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