その間に海上自衛隊から機密情報が漏洩したとの報道、何だ又かと思っていたのですが、今回はちょっと気になる点が幾つかあります。
以下は、産経新聞Webからの引用です。
漏洩の2曹、イージスシステム中枢情報も持ち出し
海上自衛隊第1護衛隊群(神奈川県横須賀市)の男性2曹(33)がイージス艦の情報を持ち出していた事件で、漏洩(ろうえい)したイージス艦に関する情報は約800ページに及び、極めて秘匿度が高い「イージスシステム」の中枢情報が含まれていたことが3日、警察当局の調べで分かった。こうした情報は日米相互防衛援助協定に基づく秘密保護法に規定された「特別防衛秘密」にあたり、警察当局は秘密保護法違反(収集など)容疑での立件を視野に、海自など関係機関と協議を始めた。
神奈川県警が、2曹の自宅から押収したハードディスクやフロッピーディスクを分析した結果、イージス艦に関する膨大な情報の中に「指定前機密」「極秘」「秘」などと記載された資料があることが判明。いずれもイージス艦の機能などを項目ごとに解説したもので、イージスシステムの情報も含まれていた。
イージスシステムは世界最高水準の対空レーダーシステムで、高性能レーダーとミサイルをコンピューターで制御し、敵の航空機やミサイルを迎撃する。
特に、イージス艦の最大の特徴である「SPY-1D」と呼ばれる米海軍が開発した高性能レーダーの能力に関するデータは「ほとんどが『秘』以上にあたる」(防衛省幹部)という。
レーダーは常に360度の監視が可能で、100以上の目標を同時に探知、追尾できる迎撃システム。秘匿性が高いため、米政府は当初、日本への提供に難色を示していたとされる。日本側の情報管理の甘さが露呈すれば、米側の反発を買うのは必至だ。
県警と警務隊は2曹が持ち出したイージスシステムの情報について、米軍側にも照会し、慎重に調べを進めている。
2曹は県警の調べに対し、かつて同じ護衛艦で勤務した複数の同僚隊員のパソコンからデータをコピーし入手したなどと供述。県警と警務隊は名指しされた隊員に事情を聴くなど調べを進めているが、いずれも秘密情報に接触できる役職・階級になく、情報の流出源と断定できないため、別の隊員がかかわった疑いが強いとみて調べている。
秘密保護法では、米国から供与された武器などの構造や性能などの特別防衛機密を、不当な方法で探知、収集したり、業務で扱うものが漏洩した場合、10年以下の懲役としている。
■イージス艦情報持ちだし事件 神奈川県警が今年1月、2曹の中国籍の妻を入管難民法違反容疑(不法残留)で逮捕したことで発覚した。県警は2曹の自宅を家宅捜索し、護衛艦のレーダーのデータや通信関係の周波数などを記録したフロッピーディスクなどを押収した。2曹は平成7年から11年にイージス艦「きりしま」に乗っていた。
(2007/04/04 07:01)
��佐、きょうにも聴取 流出イージス艦資料作成
海上自衛隊第1護衛隊群の男性2曹(33)がイージス艦の中枢情報などを持ち出していた事件で、神奈川県警など警察当局は、流出した極秘資料を作成したとみられる海自3佐から、6日にも任意聴取する方針を固めた。警察当局は、資料は2曹ら複数の隊員が私的なファイルをコピーする過程で誤って流出したとの見方を強めているが、イージスシステムが「特別防衛秘密」に該当し、過失による流出でも処罰の対象となるため、作成から流出までの経緯について詳しく事情を聴く必要があると判断した。
聴取を受けるのは、イージスシステムの管理や保守を担当していた40代の3佐。調べによると、秘密情報が納められたファイルには、作成者として3佐の名前が記載されていた。県警などが海自に3佐の所属などを照会した結果、東京都内の自衛隊施設に勤務する現役幹部であることが確認された。
流出した情報は、自衛隊に関する秘密事項の取り扱いなどを定めた日米相互防衛援助協定等に伴う秘密保護法の定める「特別防衛秘密」に該当。同法は不当な方法で探知・収集したり、業務で取り扱う者が漏洩(ろうえい)した場合、10年以下の懲役-などと定めている。
県警などの調べでは、3佐は平成9年9月から12年3月まで、イージス艦の中枢システムの保守や管理を担当する「プログラム業務隊」に所属。10年3月、新システムへの移行に伴い、開発・製造元の米海軍に派遣され、システム運用に必要な知識を習得していた。
海自などによると、3佐は帰国後、海自内の保守担当者向けに新システムに関する説明を行う業務を担当。流出した約800ページの資料はその際、説明資料として作成されたものと警察当局はみている。
県警などの調べでは、3佐は当時、市販の発表資料作成ソフトで資料を作成。今回流出した資料と書式や字体などが酷似しているため、資料は3佐が作成し、その後何らかの理由で2曹に流出した可能性が高い。3佐本人からの事情聴取を通じ、警察当局は流出経緯の全容解明を目指す方針だ。
資料を記憶メディアにコピーして自宅に持ち帰った二等海曹は、当該資料にアクセスする資格/権限がなかったようです。ということは、無資格の二曹が不正に当該資料にアクセスしたか、有資格者から不正に入手したかになります(報道によると後者のようですね)。
前者だとアクセスコントロールが適切に行われていないということですし、後者だと有資格者による逸脱という、技術的に制御し得ない人間系の課題ということになります。また、両者共通に問題として可搬記憶媒体の持ち込み(Note PCやモバイル機器を含む)が適切にコントロールされていたのかと言う点も大いに気になります。
防衛省(庁)/自衛隊は、度重なる情報漏洩対策として、省(庁)内/体内の情報セキュリティ対策の強化、使用PCを排除するための大量のPCの購入などに人と金を投入した筈です。その成果は芳しくなかったようですね。
今後の続報を注視していきましょう。
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