2006年8月2日水曜日

外部委託先の管理  ふじみ野市の事故から (2)

休みなので家にいることもあり、また地元での出来事でもあるので、このニュース、関心と暗澹たる気落ちで接しています。
昨日、犠牲になった女の子が出場する予定だった水泳の記録会、長男が行ってきました。女の子が通学していた小学校は出場を辞退したとのことでした。

続報の中で、注目すべきことが・・・

再委託
プールの管理を請負っていた管理会社は、その業務を契約に違反して、市の承認を得ずに下請け会社に丸投げしていたとのこと。市はその事実を把握していなかったという報道です。
(1) 無断で再委託、論外です。しかも社長の昔の仲間に委託。
(2) 市が、その事実を把握せず。委託先の業務実態を管理指導すべき
委託元には委託先の業務実態を正確に把握し、契約内容を履行させる責任がありますね。市が業者に委託し、その後の管理意識が弛緩していたと言われても反論できないでしょう。
管理会社も無断で下請けに再委託した上に、やはり下請会社にお任せ意識があったのは否めないでしょうね。
委託元の委託先管理の問題、よくよく考えてみなければいけませんね。
マニュアル
管理会社の社長の会見では、管理マニュアルは作成されていたとしています。しかし、現場のアルバイトの監視員は、その存在を知らないとインタビューに答えています。また、実際にあったとして、その事が下請け会社に浸透していたか、その内容を市が把握し承認していたか、内容が適切であったかなど、疑問点が少なくありません。
(1) マニュアルは、本当にあったのでしょうか。
(2) マニュアルは活用されていたのか。活用されないと、無意味です。
(3) 市は、マニュアルの内容を把握していたのか。
(4) マニュアルの内容は適切であったか
(5) マニュアルは、周知徹底されていたか
プール管理の最高責任は市にあります。市の求められる安全水準の基づく要求事項がマニュアルの反映されているか、網羅されているかを確認する責任が市にあります。その点は、どうだったのでしょうか。現時点での報道では、よく分かりません。
私がかつて勤務していたソフトウェアベンダーで、よく同僚とこんなことを話していました。「使われないマニュアルは意味がない」。
マニュアルは適切に作成され、有効に使われることが重要です。仮に、今回問題となっているマニュアルが適切に作成されていたとしても、周知徹底されていなければ、意味がありません。この点については、市と管理会社の責任が問われて然るべきですね。
今回の事故からは、プールの事故ということと、行政だけでなく民間を含め、安全に関係する業務の外部委託ということへの教訓があります。
ここでいう安全と大きな意味で考えており、その範疇に情報セキュリティも含みます。その他に、食品であるとか生活に関連する製品あるとか。例えば、パロマのガス給湯器の事故が問題となっていますが、販売会社や保守会社に対するパロマの対応に問題がなかったのか。このプールでの悲惨な事故とガス中毒事故とには、根が同じ問題があるような気がします。
  

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