あしなが育英会:遺児情報が激減 高校進学支援に影響も
病気や自殺などで親を亡くした子供たちの進学を支援する「あしなが育英会」(東京都千代田区)に、遺児情報を提供する中学校が激減している。05年4月に施行された個人情報保護法が原因とみられる。育英会は「提供された情報をもとに、奨学金の存在を遺児に知らせていた。このままでは奨学金制度を知らずに進学を断念する子供たちが増えてしまう恐れがある」と心配している。
育英会は、全国約1万1000校の中学校に遺児調査を依頼。遺児の名簿を提出してもらい、育英会や奨学金の存在を遺児家庭に連絡して高校進学を支援してきた。
調査に回答してくれた学校は、03年までは毎年、1100~1200校だったが、個人情報保護法施行前年の04年には909校に減少。導入後の05年には464校と一挙に半減した。
情報提供をやめた学校は育英会に「個人情報保護法ができたため、提供をやめる」「情報を出して苦情が出ることが心配だ」などと説明しているという。
自殺者の増加で、奨学金申し込みの新規出願者は今年は全国で1360人と過去最多となった。しかし、学校からの情報提供の減少を考えると、本来はもっと増える可能性がある。
育英会の工藤長彦奨学課長(52)は「個人情報保護法の趣旨をゆがめて解釈しているとしか思えない。遺児の進学のため情報提供に協力してほしい」と話している。【山本泰久】
毎日新聞 2006年4月23日 18時15分 (最終更新時間 4月23日 18時48分)
あしなが育英会には、何度か募金などさせて頂きました。遺児の皆さんには貴重な奨学金であり、地道で息の長い活動を行ってきた団体ですね。その活動に支障がでているという。個人情報保護法は、本来個人の情報が不正に利用されることを防ぐ法律ですが、それが別の側面で弊害が出ているという、まさに矛盾ということでしか表現できません。
個人情報保護法、ビジネス的には過去に出来事になっていますが、今一度考え直してみる必要がありますね。
0 件のコメント:
コメントを投稿