以下は、読売新聞Webからの転載引用です。人名のみ匿名に修正してあります。
私大連盟の前事務局長、不適切支出は4年前から
文部科学省所管の社団法人「日本私立大学連盟」が昨年度、高額な飲食や政治家のパーティー券購入に約3300万円を使っていた問題で、責任を問われて4日午前、解任された同連盟のA・前事務局長(56)は少なくとも4年前から同様の不適切な支出を続けていたことがわかった。
A前事務局長は月3~4回のペースで連盟から1回10万~30万円の現金を持ち出したうえ、スナックなどでの「打ち合わせ」や「懇談会」の支払いにあて、会計処理は後日、自分と派遣社員の2人だけで行っていた。
同連盟の事務局職員約20人のうち、A前事務局長がどの程度の頻度で、いくら現金を持ち出していたか把握している職員はいなかった。このため文科省は、決裁前の現金の持ち出しをやめ、現金の取り扱いについての規定を整備するよう指導した。
同省は先月、同連盟の会計実態の調査に入った際、昨年度だけでなく、伝票などが残っていた2004~06年度分も調べた。
その結果、料亭やスナックなどでの高額な出費は04年度から続いており、こうした不適切な支出は、06年度も概算で昨年度とほぼ同じ約3000万円あった。
さらに同省が聞き取り調査をしたところ、A前事務局長は月に数回、スナックや料亭での「打ち合わせ」や「懇談会」を行っており、その支払いは、月3、4回にわけて連盟から持ち出した現金をあてていたことがわかった。連盟には会計担当課長がいたが、A前事務局長はこの課長を通さず、店から受け取った領収書を自分で伝票にはり付け、派遣社員に提出して会計処理していた。
連盟には、出入金状況を記録する現金出納簿や現金の取り扱い規定もなく、年に一度の監査も形式的なもので、同省は「内部のチェック機能は全く働いていなかった」としている。
4日付で事務局長代行となった連盟のH参与は同日夜、「(加盟大学の学長や理事長が務める)理事は皆パートタイムで、会計のことは把握していない。自分もこんなずさんな会計システムとは知らなかった。みんな自分たちの会合がこれほど高額と知って驚いていた」と述べた。
��2008年7月5日03時07分 読売新聞)
>決裁前の現金の持ち出しをやめ、現金の取り扱いについての規定を整備するよう指導した。
当たり前の事を指導してます。これって、指導以前の問題、いままで何を根拠に現金を支出してきたのでしょう。
>連盟には、出入金状況を記録する現金出納簿や現金の取り扱い規定もなく
これでは、監査できません。現金の取り扱いの手順が適切か、過去の支出は正当なものか、記録がなくては、監査が実施できないです。
>年に一度の監査も形式的なもので、同省は「内部のチェック機能は全く働いていなかった」としている。
年に一度の監査といいますが、現金支出の記録も無いのに、監査が成立していたのでしょうか。チェック機能が働いていないのでなく、存在しないというのが正確なのでは。
>会計のことは把握していない。自分もこんなずさんな会計システムとは知らなかった。みんな自分たちの会合がこれほど高額と知って驚いていた」と述べた。
マネジメントの立場にある人の言葉とは思えません。会計報告が形骸化というか、適切でなかったといいことでしょう。
現金の関する取り扱いの規定、記録の整備は勿論ですが、組織としてのガバナンス、マネジメントそのものの見直しが必要です。
財務報告に係る内部統制、IT統制、情報セキュリティなどは、組織自体の健全性に左右されます。部分的な対応をしても、組織全体が腐っていては、役にたちませんから
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