昨年(2013年)、ピーター・ヒッグスエジンバラ大学名誉教授にノーベル賞が授与されました。教授の功績は、ヒッグス機構の解明です。そして、ヒッグス機構の解明とは、質量の存在を確認することでした。
ヒッグス粒子の存在が証明されたことが教授のノーベル賞受賞理由でしたが、その質量に関しては重力波の存在を確認することも、物理学における重要な課題でした。
重力波は、アルバート・アインシュタイン博士が、一般相対性理論の導かれた重量理論でした。時空の歪みが波動として
空間を光速で伝播する現象です。しかし、重力波が極めて小さな振動であるため、観測が困難でした。
従来は、大規模質量星間の相互作用による間接的な観測が報告されてきました。直接的な観測も、欧米や日本でも試みられていました。しかし、その重量波が発見されたということは、今後の宇宙物理学にとって時代を画す成果と言えるでしょう。
重力波の存在が確認され、それが最終的に追試されれば、人類は宇宙の成り立ちについて重要な手がかりを掴むこととになったと言っても過言ではありません。
今回の成果は、ワクワクさせるものです。来月の科学系の雑誌は、この重力波発見の記事に埋め尽くされることでしょうね。
宇宙誕生時の重力波観測 米チーム、南極の望遠鏡
宇宙誕生時の重力波観測 米チーム、南極の望遠鏡
2014.3.18 01:07
138億年前の宇宙の誕生直後に発生した「重力波」の証拠とされる現象を、世界で初めて観測したと米カリフォルニア工科大などのチームが17日、発表した。生まれたばかりの宇宙の姿を探る重要な手掛かりとなる。
誕生時に非常に小さかった宇宙が急激に膨張したとする佐藤勝彦自然科学研究機構長らの「インフレーション理論」を、観測面から強く裏付ける成果だ。
重力波は、物体が動いた時に波のように広がっていく時間や空間の揺れ。アインシュタインが存在を予言したが、直接観測されたことはない。
チームは、宇宙が生まれた38万年後に放たれた光の名残である「宇宙背景放射」と呼ばれる電波を、南極に設置したBICEP2望遠鏡で詳しく観測し分析した。その結果、宇宙初期の急膨張によって出た重力波が、光の振動する方向に影響を与え、方向が特定のパターンを描いていることを初めて発見。間接的に重力波の存在を確認したとしている。
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