2013年10月8日火曜日

ヒッグス粒子の予言にノーベル物理学賞

今年のノーベル物理学賞が発表されました。順当過ぎるくらい順当な決定ですね。

ヒッグス博士が提唱した「電弱理論における対称性の破れ」が、50年かかけて検証されたということですね。
理論家が提唱し、実験家が検証するという科学における作業が達成された訳ですね。
一つの科学理論を確実に検証するために50年をかける。現代の基礎科学のある分野は、お金と時間がかかるものになりましたね。

このヒッグス理論の構築には、2008年に物理学賞を受賞した南部陽一郎博士の業績も特筆すべきです。南部博士の「自発的対称性の破れ」も受賞するまでに十数年かかってますね。

だから、山中伸弥教授教授が論文発表から数年でノーベル生物・医学賞を受賞したのは、如何に画期的なことかが分かりますね。

ヒッグス氏らにノーベル物理学賞 「ヒッグス粒子」の存在予言


ヒッグス氏らにノーベル物理学賞 「ヒッグス粒子」の存在予言
2013.10.8 20:02

 スウェーデン王立科学アカデミーは8日、2013年のノーベル物理学賞を、物質に質量をもたらす「ヒッグス粒子」の存在を理論的に予言した英エディンバラ大名誉教授のピーター・ヒッグス氏(84)と、ブリュッセル自由大名誉教授のフランソワ・アングレール氏(80)に授与すると発表した。素粒子物理学の大きな謎を解明した功績が評価された。

 ヒッグス粒子は全部で17種類ある素粒子のうち唯一、未発見だった最後の粒子。1964年、ヒッグス氏はこの粒子の存在を予言し、アングレール氏は物質に質量が生じる仕組みを説明する理論を発表。極微の世界の基本法則である素粒子の標準理論を完成に導いた。

 スイス・ジュネーブ郊外にある欧州合同原子核研究所(CERN)の大型ハドロン衝突型加速器(LHC)を使った国際チームの実験で昨年7月、ヒッグス粒子とみられる新粒子が見つかり、今年3月に発見が確定。わずか半年後の異例のスピード受賞は、科学史に残る大発見を裏付けるものとなった。

 ヒッグス粒子の性質を詳しく解明すれば、現在の標準理論を超える新たな物理学が生まれ、物質や宇宙誕生の理解が飛躍的に進むと期待されている。

 LHCは各国から計数千人の研究者が参加した巨大プロジェクトで、日本も東大チームなどがデータ解析や装置建設で貢献した。

 授賞式は12月10日にストックホルムで行われ、賞金計800万スウェーデンクローナ(約1億2200万円)が贈られる。



ノーベル賞に追い風 「ヒッグス粒子発見」正式報告 東大参加の実験チーム


2013.10.4 12:11

 東大などが参加する欧州合同原子核研究所(CERN)の実験チームが物質に重さを与えたとされる「ヒッグス粒子」発見のデータを論文にまとめ、欧州の物理学専門誌フィジックスレターズBに正式に報告した。7日付で掲載される。

 8日発表のノーベル物理学賞は、粒子の存在を予言した英エディンバラ大のピーター・ヒッグス名誉教授(84)らが最有力とみられ、追い風となりそうだ。

 チームはCERNの大型加速器LHCで実験し、昨年7月「99・9999%以上の確からしさで新しい粒子を発見した」と発表。この粒子が、ヒッグス粒子であるかどうかデータを積み重ね、3月に「ヒッグス粒子」と判断した。今回そのデータを論文にまとめた。

 ヒッグス粒子は、自然界を説明する基本的な「標準理論」で、存在が予想される17種類のうち未発見だった最後の粒子。宇宙誕生の大爆発ビッグバンから100億分の1秒後に生まれて宇宙を満たし、それまで質量のなかった他の粒子に重さを与えたとされる。



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