2007年6月18日月曜日

年金情報と住基ネットの連携が検討されているようです

巷の話題は、年金と社会保険庁の話題一色と言っても過言でもないですね。年金記録の杜撰な管理、社会保険庁の労使協定、一日当りのキータッチが5,000タッチ以内(文字数で2,000文字)なんかは職場で大笑いでした。30分で一日の仕事が終わりかと・・・・
それでいて、公務員共済はしっかり管理されていて、今のところ瑕疵がないようです。さすが、公僕意識など欠片もなく、国民に君臨する日本の公務員です。

で、今後の年金改革の一環として、年金加入記録と住基ネットを連携 させることが検討されているようです。

以下は、毎日新聞Webからの引用です。

年金問題:加入記録を住基ネットと連携 政府方針
 政府は年金保険料の納付記録漏れ問題への対策として、年金の加入記録を住民基本台帳ネットワークと連携させることによって、住所を移転した人たちの年金記録を照合できるようにする方針を固めた。19日に閣議決定する予定の経済財政運営の基本方針「骨太の方針2007」に盛り込む。
 また年金、医療、介護の各制度にまたがって国民1人に一つの番号を割り振る社会保障番号を導入した上で、各制度を総合的に利用できるITカードにして国民に配布する方針。12日の経済財政諮問会議で示された「骨太の方針」原案でも、社会保障記録の管理システムについて「健康ITカードの導入に向けた検討を行い、07年内をめどに結論を得る。同年度内に個人情報の保護などに留意しつつ、基本構想を作成する」としている。
毎日新聞 2007年6月17日 0時24分


前々から、住基ネットには疑問を持っていました。住民基本台帳情報のみに番号をつけて管理してもメリットが感じられないからです。例えば、各国民に固有の番号を割り振るのであれば、年金や健康保険、納税などにも利用しない限り、大きなメリットが見出せないからです。米国の社会保障番号(SSN)の日本版ですね。読売新聞は、社説で社会保障番号を考えてはと提起しています。以下は、読売新聞Webからの引用です。

社会保障番号 超党派で前向きに議論しては(6月17日付・読売社説)
 自分がどれだけの負担をし、どれほどの恩恵を受けているのかが、見えにくい。国民が社会保障制度に不信や不満を抱く一因は、そこにある。
 安倍首相は、年金や医療、介護などの負担と給付の記録を一元的に管理する「社会保障番号」の導入を急ぐ方針を表明した。
 まだ健康で年金受給年齢にも遠い世代は、社会保障制度から“利益”をあまり得ていない。年金や健康保険の保険料徴収率が低い要因だ。
 この状況を改善し、社会保障制度の信頼を培うため、一元的な番号制度の導入は大いに検討に値する。
 各制度の保険料をこれまでにいくら納付し、医療などの公的サービスをどれだけ受けてきたか、年金は将来いくら受け取れるのか、といった情報が個人単位でまとめられる。
 現状では、次々と保険料を徴収され、窓口負担を負わされている印象ばかりが強い。これまでの収支や将来の受益見通しの情報がきちんと提供されれば、社会保障制度への理解は深まるだろう。
 利点はまだある。結婚や転職などの届け出は、年金、医療など各制度に反映され、事務も簡素化されるため、年金の支給漏れのようなことは起こりにくい。
 社会保障番号は、政府がかねて導入を検討してきた。だが、個人情報保護の観点から、多岐にわたる記録を集約することに慎重論が根強く、足踏みを続けていた。個人情報の適切な保護策を講じるのは、当然であろう。
 安倍首相が改めて導入を表明するきっかけとなった年金記録の不始末を引き起こした原因は、何よりもまず、社会保険庁の組織体質上の欠陥にある。これについては、総務省に設置された検証委員会が、原因と責任の追及に当たる。
 だが、中途半端な形で基礎年金番号制度が作られたことも見逃せない。法律ではなく省令で導入されたうえ、年金制度に限った番号であるため、受給年齢が近づくまで関心のない人も多かった。
 最初から包括的な社会保障番号制度としていれば、医療や介護、雇用など他の保険情報とともに年金記録も速やかに集約され、今日のような混乱は避けられたかも知れない。
 公明党は、基礎年金番号を発展させた「総合社会保障口座」を提言している。民主党も「年金通帳」や納税者番号制度の創設を主張しており、社会保障番号の考え方と通じるものがある。
 年金をはじめ、社会保障制度への不信感を払拭(ふっしょく)するために、与野党で本格的に議論を進めてはどうか。
��2007年6月17日1時57分 読売新聞)


私も大筋で、この社説に同意するのですが、この制度のリスクについて厳密に評価し、適切な内部統制、コントロールを導入することが大前提です。ですから、個人情報保護法の改正なども必要でしょうし、公務員の守秘義務の強化も必須かもしれません。制度の運用を一部民間に任せるのであれば、公務員に準ずる守秘義務が必要かもしれません。一つの番号の下に、年金記録から医療記録、納税記録、住民基本情報などが一括してぶら下がるのですから、正に機微なる情報のオンパレードです。この情報が漏洩した場合のリスクは計り知れません。また、米国のように社会保障番号の民間利用を許すのかなど、個人情報保護の観点の議論が絶対に必要です。今後も政府内、国会内での議論を注視する必要がありますね。
参考
私は、最寄の社会保険事務所で、昨年の8月に年金記録を調べました。セーフでした。

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